2014年11月12日
interview リクオ vol.1『HOBO HOUSE』が放つ、優しさと強さ、そして明日への光。
interview
リクオ vol.1
『HOBO HOUSE』が放つ、
優しさと強さ、そして明日への光。

夏の終わりの藤沢にて。
リクオさんに最初に会ったのは、かなり不確かなのだが、アルバム『MELLOW BLUE』がリリースされた後だったように記憶している。その数年後に、宮城県白石市のCafé Miltonで再会して一気に距離が縮まった。
リクオさんは、ソロだったり誰かとのデュオだったり、あるいはバンドで…、実に様々な形で一年中日本をくまなく歌い歩いている。そうした旅の日々から紡がれる音楽は、現在のこの国に漂うの空気感を忠実に浮かび上がらせている。
5年半ぶりにリリースされたソロアルバム『HOBO HOUSE』からも、彼が感じた想いが溢れ出している。にじみ出る優しさと強さ。音楽的な豊潤さは、バッドニュースだらけの世の中のささやかな光のように響いてきて、静かにしかししっかりと勇気づけられた。
間もなくリクオは、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬とともに、『うたのありか』と題した全国ツアーの沖縄公演を行う。そのあたりのことも含めて、夏の終わりの藤沢で話を聞いた。
RIKUO NET
http://www.rikuo.net
インタビュー・文/野田隆司(2014年8月、神奈川県藤沢市)
**********
時間の制約のない快適な“米軍ハウス”でのレコーディング。
◎オリジナルアルバムとしては5年半ぶりになるんですね。
「4年前にカバーアルバム『リクオ&ピアノ』を出して、その後『HOBO CONNECTION』やケイヤン(ウルフル・ケイスケ)たちと始めたマジカル・チェイン・クラブ・バンドの『マジカル・チェイン・クラブ・バンド』というアルバムを出して、リリース自体はしてたから、そんなに空いた気はしなかったんですけどね。個人名義のオリジナルのスタジオ盤は久しぶりです」
◎レコーディングはいつ頃から始めたんですか?
「1回目のレコーディングが2011年7月ですね。録音すること自体は“311”の前から決まっていて、スケジュールも出ていたし、録る曲もある程度決めていました。でも、震災を経て、内容を変えざるえなくなって、随分時間がかかってしまいました。3.11の影響は大きかったですね」
◎録音は変わった場所でやったとききました。
「なるべく時間の制約を受けずに閉塞感のないリラックスできる場所でレコーディングしたかったんです。
埼玉県入間市の元々米軍ハウス街だった場所が最近再開発されて、“ジョンソン・タウン”って名前で、しゃれたカフェや雑貨屋が集まる場所になってるんです。その一角にある古い木造のアメリカンハウスを使った“グズリ・レコーディング・ハウス”というスタジオで録りました。
そのスタジオを運営しているのが、今回のアルバムの共同プロデューサーで、シンガーソングライターでもある笹倉慎介(SASAKLA)。今回は、彼をプロデューサーに迎えて、“グズリ”で録音できたことが大きいですね。作品にはスタジオの空気感と笹倉君のカラーが反映されていると思います」
子どもたちの声、蝉時雨…。
共鳴し合う心地よいアンサンブル。
◎これまでのレコーディングと、環境は相当に違ったんじゃないですか。
「違いましたね。例えば入間市の隣町狭山市にある米軍ハウス街のアメリカンハウスでレコーディングされた細野さんのアルバム『HOSONO HOUSE』とかザ・バンドやディランがウッドストックでレコーディングした作品の空気感に共通するものがあると思います。
普通のスタジオはたいがい地下にあって窓がなくて、密閉された空間ですけど。でもそこはもともと民家で、周囲には緑がいっぱいある。目の前には芝生が敷き詰められた広い公園があって、奥には森林がある。本当にストレスの少ないリラックスできる風通しのいい環境でした。日中は自然光の中で録音するんですけど、時々公園ではしゃぐ子供達の声がもれ聞こえてくるんです。夏にはセミの声も聴こえて、鳴き止むのを待って録音したりしました。」
◎レコーディングは一発録音ですか。
「そうですね。曲によって編成が違うんですけど、ピアノ、ドラム、ベースは基本一発で録りです。それと今回は、とにかく沢山のミュージシャンに参加してもらいました。エレキギター、アコースティックギター、ペダル・スティール、ドラムだけでも3人、ベースは2人に参加してもらいました。ストリングスも管楽器も入ってるし。本当にいろんな人が参加してくれました」
◎サウンド的にはとても統一感がありますよね。
「これだけアルバムを通して一貫した空気感のある作品はこれまでなかったんじゃないかなぁと思います。それは、グズリスタジオで録音できたのが大きいですね。参加したミュージシャンもちゃんとスタジオの響きを味わって演奏してくれたし。それとミュージシャンに我を通す人が一人もいなくて、いいアンサンブルを奏でるためのパーツになってくれたと思います。ちゃんと共鳴し合うということをわかっている人ばかりで、我を強調しないことで、逆説的にそれぞれの演奏者の個性が浮き彫りになった気がします。一つひとつの音の存在感が伝わる作品になっていると思います。
自分のソロアルバムであると同時に、参加ミュージシャン、プロデューサー、スタジオ等々、関わってくれたさまざまとのコラボアルバムだという意識もあります。聴く人がきけば、いろんなオマージュが伝わる作品でもあると思います」
(続きます)
interview リクオ vol.2
“希薄になった旅人感覚を取り戻す→ http://harvestfarm.ti-da.net/e6949372.html
**********
◎LIVE INFORMATION
リクオ×中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)
『うたのありか2014』
オキナワ3デイズ!

<宮古島公演>
11月20日(木)
宮古島・Bar&Cafe Pisara
開場19:00 開演20:00
前売2000円 当日2500円(1ドリンク代別)※中学生以下は入場無料。(保護者同伴)
【チケット取扱】Bar&Cafe Pisara,Bar PULSE,カリブの酒場 isra,南国ワイン酒場 ガリンペイロ,Bar ボックリーのチョッキ,Food&Drink Radix,場違いレストラン 空飛ぶチョップスティックス
【予約•問合せ】
Pisara 0980-73-1910(19:00~3:00)
<石垣島公演>
11月21日(金)
石垣島・Jazz Barすけあくろ
開場19:30 開演20:00
前売2500円 当日3000円(1ドリンク代別)※中学生以下は入場無料。(保護者同伴)
電話&メール予約
電話予約:090-3796-8326
メール予約 bsidmoon@joy.ocn.ne.jp
<那覇公演>全国ツアーファイナル!
11月23日(日)
那覇市・output
開場18:30 開演19:00
前売3000円 当日3500円(全席自由)
キッズチケット(高校生対象・要学生証)
前売2000円 当日2500円(ドリンク別)
※中学生以下入場無料(要学生証/保護者同伴)付き添いが必要な障がい者の方に限り、介護の方1名は入場無料。(障がい者手帳をご持参下さい)
問い合わせ・電話予約:ハーベストファーム098-890-7555
<NEWS!> 『リクオ with HOBO HOUSE BAND Live at 伝承ホール』
全国発売に先駆け、ライブ会場にて先行販売決定!
あわせて、DVD『RIKUO wiht HOBO HOUSE BAND Live at Densho Hall Movie』も
各ライブ会場ににて販売されます。
◎詳細はこちら→http://www.rikuo.net/hobohouselive/
◎リクオ『HOBO HOUSE』
HOME WORK/発売中/税抜2,700円

[収録曲]
1.光 2. HOBO TRAIN 3. モンクス・ドリーム 4. さすらいの詩 5. 哀歌 6. Forever Young 7. 不思議な人よ 8. ステキなバカンス 9. 夜明け前 10. Happy Day 11. ランブリンマン 12. フシギ 13. 愛しい人
◎PROFILE
リクオ。京都出身。1990年のデビュー以来、ニューオリンズピアノ、R&R、ブルース、ジャズ等に影響を受けたグルーヴィーなピアノスタイルと、ソウルフルなヴォーカル、切なさのつぼを押さえた楽曲で、世代・ジャンルを越えて支持を集める。 年間100本を越えるライブで鍛えられたファンキーなライブパフォーマンスは超必見。現在各地でリクオフリークが急増中。
リクオ vol.1
『HOBO HOUSE』が放つ、
優しさと強さ、そして明日への光。
夏の終わりの藤沢にて。
リクオさんに最初に会ったのは、かなり不確かなのだが、アルバム『MELLOW BLUE』がリリースされた後だったように記憶している。その数年後に、宮城県白石市のCafé Miltonで再会して一気に距離が縮まった。
リクオさんは、ソロだったり誰かとのデュオだったり、あるいはバンドで…、実に様々な形で一年中日本をくまなく歌い歩いている。そうした旅の日々から紡がれる音楽は、現在のこの国に漂うの空気感を忠実に浮かび上がらせている。
5年半ぶりにリリースされたソロアルバム『HOBO HOUSE』からも、彼が感じた想いが溢れ出している。にじみ出る優しさと強さ。音楽的な豊潤さは、バッドニュースだらけの世の中のささやかな光のように響いてきて、静かにしかししっかりと勇気づけられた。
間もなくリクオは、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬とともに、『うたのありか』と題した全国ツアーの沖縄公演を行う。そのあたりのことも含めて、夏の終わりの藤沢で話を聞いた。
RIKUO NET
http://www.rikuo.net
インタビュー・文/野田隆司(2014年8月、神奈川県藤沢市)
**********
時間の制約のない快適な“米軍ハウス”でのレコーディング。
◎オリジナルアルバムとしては5年半ぶりになるんですね。
「4年前にカバーアルバム『リクオ&ピアノ』を出して、その後『HOBO CONNECTION』やケイヤン(ウルフル・ケイスケ)たちと始めたマジカル・チェイン・クラブ・バンドの『マジカル・チェイン・クラブ・バンド』というアルバムを出して、リリース自体はしてたから、そんなに空いた気はしなかったんですけどね。個人名義のオリジナルのスタジオ盤は久しぶりです」
◎レコーディングはいつ頃から始めたんですか?
「1回目のレコーディングが2011年7月ですね。録音すること自体は“311”の前から決まっていて、スケジュールも出ていたし、録る曲もある程度決めていました。でも、震災を経て、内容を変えざるえなくなって、随分時間がかかってしまいました。3.11の影響は大きかったですね」
◎録音は変わった場所でやったとききました。
「なるべく時間の制約を受けずに閉塞感のないリラックスできる場所でレコーディングしたかったんです。
埼玉県入間市の元々米軍ハウス街だった場所が最近再開発されて、“ジョンソン・タウン”って名前で、しゃれたカフェや雑貨屋が集まる場所になってるんです。その一角にある古い木造のアメリカンハウスを使った“グズリ・レコーディング・ハウス”というスタジオで録りました。
そのスタジオを運営しているのが、今回のアルバムの共同プロデューサーで、シンガーソングライターでもある笹倉慎介(SASAKLA)。今回は、彼をプロデューサーに迎えて、“グズリ”で録音できたことが大きいですね。作品にはスタジオの空気感と笹倉君のカラーが反映されていると思います」
子どもたちの声、蝉時雨…。
共鳴し合う心地よいアンサンブル。
◎これまでのレコーディングと、環境は相当に違ったんじゃないですか。
「違いましたね。例えば入間市の隣町狭山市にある米軍ハウス街のアメリカンハウスでレコーディングされた細野さんのアルバム『HOSONO HOUSE』とかザ・バンドやディランがウッドストックでレコーディングした作品の空気感に共通するものがあると思います。
普通のスタジオはたいがい地下にあって窓がなくて、密閉された空間ですけど。でもそこはもともと民家で、周囲には緑がいっぱいある。目の前には芝生が敷き詰められた広い公園があって、奥には森林がある。本当にストレスの少ないリラックスできる風通しのいい環境でした。日中は自然光の中で録音するんですけど、時々公園ではしゃぐ子供達の声がもれ聞こえてくるんです。夏にはセミの声も聴こえて、鳴き止むのを待って録音したりしました。」
◎レコーディングは一発録音ですか。
「そうですね。曲によって編成が違うんですけど、ピアノ、ドラム、ベースは基本一発で録りです。それと今回は、とにかく沢山のミュージシャンに参加してもらいました。エレキギター、アコースティックギター、ペダル・スティール、ドラムだけでも3人、ベースは2人に参加してもらいました。ストリングスも管楽器も入ってるし。本当にいろんな人が参加してくれました」
◎サウンド的にはとても統一感がありますよね。
「これだけアルバムを通して一貫した空気感のある作品はこれまでなかったんじゃないかなぁと思います。それは、グズリスタジオで録音できたのが大きいですね。参加したミュージシャンもちゃんとスタジオの響きを味わって演奏してくれたし。それとミュージシャンに我を通す人が一人もいなくて、いいアンサンブルを奏でるためのパーツになってくれたと思います。ちゃんと共鳴し合うということをわかっている人ばかりで、我を強調しないことで、逆説的にそれぞれの演奏者の個性が浮き彫りになった気がします。一つひとつの音の存在感が伝わる作品になっていると思います。
自分のソロアルバムであると同時に、参加ミュージシャン、プロデューサー、スタジオ等々、関わってくれたさまざまとのコラボアルバムだという意識もあります。聴く人がきけば、いろんなオマージュが伝わる作品でもあると思います」
(続きます)
interview リクオ vol.2
“希薄になった旅人感覚を取り戻す→ http://harvestfarm.ti-da.net/e6949372.html
**********
◎LIVE INFORMATION
リクオ×中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)
『うたのありか2014』
オキナワ3デイズ!

<宮古島公演>
11月20日(木)
宮古島・Bar&Cafe Pisara
開場19:00 開演20:00
前売2000円 当日2500円(1ドリンク代別)※中学生以下は入場無料。(保護者同伴)
【チケット取扱】Bar&Cafe Pisara,Bar PULSE,カリブの酒場 isra,南国ワイン酒場 ガリンペイロ,Bar ボックリーのチョッキ,Food&Drink Radix,場違いレストラン 空飛ぶチョップスティックス
【予約•問合せ】
Pisara 0980-73-1910(19:00~3:00)
<石垣島公演>
11月21日(金)
石垣島・Jazz Barすけあくろ
開場19:30 開演20:00
前売2500円 当日3000円(1ドリンク代別)※中学生以下は入場無料。(保護者同伴)
電話&メール予約
電話予約:090-3796-8326
メール予約 bsidmoon@joy.ocn.ne.jp
<那覇公演>全国ツアーファイナル!
11月23日(日)
那覇市・output
開場18:30 開演19:00
前売3000円 当日3500円(全席自由)
キッズチケット(高校生対象・要学生証)
前売2000円 当日2500円(ドリンク別)
※中学生以下入場無料(要学生証/保護者同伴)付き添いが必要な障がい者の方に限り、介護の方1名は入場無料。(障がい者手帳をご持参下さい)
問い合わせ・電話予約:ハーベストファーム098-890-7555
<NEWS!> 『リクオ with HOBO HOUSE BAND Live at 伝承ホール』
全国発売に先駆け、ライブ会場にて先行販売決定!
あわせて、DVD『RIKUO wiht HOBO HOUSE BAND Live at Densho Hall Movie』も
各ライブ会場ににて販売されます。
◎詳細はこちら→http://www.rikuo.net/hobohouselive/
◎リクオ『HOBO HOUSE』
HOME WORK/発売中/税抜2,700円

[収録曲]
1.光 2. HOBO TRAIN 3. モンクス・ドリーム 4. さすらいの詩 5. 哀歌 6. Forever Young 7. 不思議な人よ 8. ステキなバカンス 9. 夜明け前 10. Happy Day 11. ランブリンマン 12. フシギ 13. 愛しい人
◎PROFILE
リクオ。京都出身。1990年のデビュー以来、ニューオリンズピアノ、R&R、ブルース、ジャズ等に影響を受けたグルーヴィーなピアノスタイルと、ソウルフルなヴォーカル、切なさのつぼを押さえた楽曲で、世代・ジャンルを越えて支持を集める。 年間100本を越えるライブで鍛えられたファンキーなライブパフォーマンスは超必見。現在各地でリクオフリークが急増中。
Posted by harvestfarm at 11:12│Comments(0)
│インタビュー
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